トリオ芸術の3作目。2作目がライブ盤ということもあって、かなりハードタッチだったのですが、スタジオ制作のこのアルバムは予想通りしっとり系で。これがまた(余り使いたくない言葉だけど)傑作!こんなに感動させられていいのかっていう位・・・ ジャケット、BRAD MEHLDAU の表記下に「SONGS」とあり、ここにすべて語りつくされているような気がします。
Brad Mehldau
Warner Bros. (1998-09-08)
売り上げランキング: 28305
1. Song-Song [*]
2. Unrequited [*]
3. Bewitched, Bothered and Bewildered [Richard Rodgers, Lorenz Hart]
4. Exit Music (For a Film) [Radiohead]
5. At a Loss [*]
6. Convalescent [*]
7. For All We Know [J. Fred Coots, Sam M. Lewis]
8. River Man [Nick Drake]
9. Young at Heart [Johnny Richards, Carolyn Leigh]
10. Sehnsucht [*]
[*]: Brad Mehldau
Personnel: Brad Mehldau (piano); Larry Grenadier (bass); Jorge Rossy (drums).
Recorded at Right Track Studios, New York, New York on May 27 & 28, 1998.
最初の曲 Song-Song 、タイトル通り、ピアノが「歌っている」。ラリーのベースとピアノの絡みが美しすぎます。一音一音が、歌声。このアルバムを象徴する曲です。Unrequited は、
Metheny Mehldau の一曲目としても収録されているオリジナル作品。意味は、「報われない」〜儚さを感じます。スタンダードの名曲 Bewitched, Bothered and Bewildered に続く Exit Music (For a Film) はレディオヘッドの
OK Computer に収録された曲で、次作
The Art of the Trio, Vol. 4: Back at the Vanguard でも演奏されてますし、ブラッドのライブでも欠かせない一曲となっています。
Convalescent は、左右単独でソロラインを弾いてしまうというブラッドらしいフレーズ、そして音の響き。River Man は
Art of the Trio, Vol. 5: Progression やソロピアノによる
Live in Tokyo でも取り上げられているニックドレイクのカバー。Young at Heart はさりげなくオルゴール(?)のような音色がバックに流れ−メロディーはボレロにも聴こえるんだけど−ピアノの音もオルゴールに反応するかのように美しい、というか可愛らしい曲です。最後の曲 Sehnsucht はドイツ語で、「熱望」という意味のようですが・・・熱望という割には淡々とした感じが。でも、アルバムの最後を締めくくるには心地よいかも。
このアルバムを聴いてビルエバンスに近いのかなあという印象が強くなってしまったけど、やはりブラッドの強い意志というか独自の音楽観・世界観が感じられるので比較するのは失礼ですね。
The Art of the Trio, Vol. 1 もスタジオ録音でゆったりした美しい作品だったけど、このアルバムでまた、ピアニストとしてもコンポーザーとしてもスケールが大きくなったような気がします。